姦通罪の廃止
韓国で、62年ぶりに廃止された法律があります。浮気した男女(既婚)が処罰される、「姦通罪」です。配偶者を持つ男女が他の異性と性行為を行った場合、2年以下の懲役または罰金が科せられるとされていたこの法律は、2015年に2月に「違憲」とされ、廃止されました。これまでも姦通罪に関しての異論を唱える声はあったものの、最終的には合憲とされてきたこの法律。今回、「国民の性的な自己決定権と私生活における秘密の自由を侵害する」という声が高まり、廃止に至りました。
浮気・不倫現場に警察官が立ち入らなくなる
これまで姦通罪を立証するには、不倫現場に刑事が踏み込み、性行為を行っている現場を直接押さえる必要がありましたが、姦通罪の廃止によって警察官が現場に踏み込むことは出来なくなりました。また、捜査機関を使った離婚訴訟の為の証拠集めも今後は出来なくなります。
姦通罪廃止と今後
今後、韓国では不倫行為をしても刑事罰に処せられることはありません。しかし、法律上の許容はあっても、民法上では離婚請求が可能な「不貞行為」が明記されます。また、民法上では性行為現場を押さえていなくても不貞行為は広く認定される為、ホテルや相手の自宅に入っていく現場、通話記録やメールのメッセージなどでも十分な証拠として効果を発揮することがあり、姦通罪が廃止されたからといって、浮気、不倫行為が助長され、韓国で不貞行為が激増するということは考え難い事です。